二人きりの残業’/3



 千尋の控えめなお願いを聞くやいなや、神乃木の手は素早くスカートの中に伸びていった。

「はんっ……!」

 熱くなった身体の奥を探られ、千尋が身体をしならせる。

「だ、ダメです、いきなりそんなところ……ん……っ!」

 慌てて太腿を閉じようとしても、すでに神乃木の指はしっかりと奥まで潜り込んでいる。

「『いきなり』? ……そんなことはねえだろう」
「あっ…………」

 神乃木は、容赦なく千尋の身体をかき回す。すでに満ちていた熱い蜜が、くちゅ、くちゅ……と、音を立てて指先に絡み付いていった。

「ほら、もうしっかりスタンバイできてるじゃねえか」
「だって……」
「だっても何もねえ。もっと、感じたいんだろう?」

 言葉で嬲る間にも、神乃木は手を止めることなく千尋のいちばん敏感なところを愛撫し続ける。

「ああ……お願い、そんなにされたら、もう……!」
「もう、じゃねえ。まだまだ、だ」

 千尋の耳元で甘く囁きながら、神乃木は、浅いところを弄んでいた指を一気に奥まで押し込んだ。

「ひあっ……!」

 たまらず、千尋が腰を浮かせて身体を反らせる。

「中までこんなに濡れてるぜ……簡単に奥まで入っちまった」
「あぁ……そ、そんなこと言っちゃ、イヤ……はあっ……んっ!」

 神乃木は構わず、奥まで入り込んだ指で千尋を突き上げてゆく。

「ああっ……はぁ、ダメ、あ……あっ……!」

 千尋は無意識のうちに、神乃木の動きに合わせて自分から腰をくねらせていた。
 そんな千尋の淫らな姿が、ますます神乃木を昂らせる。

「神聖な職場なのに、男に指を突っ込まれてめちゃめちゃに乱れて……おませなコネコちゃん、だぜ」
「やっ……そ、そんな……あっ!」

 神乃木は休むことなく奥に入り込んだ手を動かしながら、すっかり勃ち上がってさらに敏感になっている身体の芯にも指を這わせる。
 これ以上ないほど弱いところを同時に責められて、千尋は思わず神乃木の首筋にしがみついた。

「はぁ……んっ! もう、ホントに、これ以上は……ああっ……もう、許して……!」

 千尋はもう、自分でも何を言っているかわかっていなかった。身体の緊張が高まるままに神乃木にすがりつき、背中を反らせていく。

「いいんだぜ、千尋……このまま、気持ち良くなっちまいな……」

 神乃木は、腕の中で乱れる千尋を愛おしそうに見つめながら、指の動きをさらに強める。
 それに応えて、神乃木の指先を包み込む柔らかい壁が、一気に熱くきつく締め上げられてゆく。

 千尋が高みに登りつめてゆくのを感じながら、神乃木はあらん限りの情熱を込めて、千尋の奥深くを責め立てていった。

「あ…………っ!」

 千尋はひときわ強く神乃木にしがみつき、一瞬ののち、身体をあずけるようにがっくりと力を抜いた。
 神乃木の指先を取り囲んでいる身体の奥もまた、急に力が抜けて柔らかくなり、大きく脈打っていた。

 神乃木はそっと指を引き抜き、そんな千尋を満足そうに抱きしめた。


←BACK NEXT→

もくじに戻る