ファスナーに手をかけられたと思った次の瞬間、スーツはあっという間に脱がされてしまい、私の体を覆っているものは、もう真っ白なブラジャーとパンティーだけだった。 荘龍は、そんな私の姿をじっと見つめ、魅せられたように胸元に手を伸ばしてきて、そのままホックを外した。 下着からこぼれた裸の胸が、かすかに揺れる。 その先はさっき見せつけられたように、キュッと縮んで上を向いたままだった……さっきの乱れた自分の姿を思い出して、また顔が熱くなってくる。 「く……! ふぅ……んっ……」 今度の刺激は、さっきよりもずっと強烈だった。 尖った胸の先を口に含んで、舌で転がしてきたり、柔らかく撫でまわしてきたり……荘龍の舌が動くたびに、気持ち良すぎて、わけがわからなくなりそうだった。 「あぁ……わ、私だけ……こんなに乱れさせるなんて、ズルいです……!」 私はどうにかなってしまいそうなのに、荘龍はそんな私を嬉しそうにいじくりまわしている……そう思うとなんだかとっても不公平な気がして、半ば無駄だとはわかっていても、ささやかな抗議をせずにはいられなかった。 「はぁ……んっ! あっ……」 舌でより強く私を弄びながら、同時に背中から腰までつっと撫でて、また身体中に電流を走らせる……それが、荘龍の返事だった。 「まだまだ、だ。こんなもんじゃ、済ませないぜ……」 「……!」 そんな……と言おうとする暇もなく、荘龍の強引なキスで黙らされてしまった。 荘龍は、そのまま舌を身体のラインに沿って這わせてくる。 首筋、鎖骨、胸の先端……荘龍の舌が通っていったところから、自分でも驚くほどたくさんの気持ちいい部分が見つかっていく。 それらの場所を舌で撫でられるたびに、なんとか声を出すのはこらえても、思わず身体がビクッと震えてしまう。 「千尋の身体は正直だな。どこが弱いか、すぐにわかるぜ」 「そ、そんなこと……ひぁんっ!」 図星をさされてとっさに反論しようとしたのに、脇腹に舌が届くやいなや、意識せずにそんな声が漏れてしまう。 「ほらな……また、千尋の感じるところが見つかった」 「…………。荘龍の、意地悪……」 いつもからかってくる時と変わらない余裕な表情が憎ったらしくて、私は思わず荘龍の腕を軽くつねった。 「異議あり、だ。気持ちいいところを見つけて、意地悪呼ばわりされる筋合いはねえぜ」 案の定、私のささやかな抵抗なんて気にもとめてない。荘龍はそのまま、脇腹から舌を這わせていった。 その動きは、下着に触れそうなところまで来ても止まるそぶりがない。 「だ、ダメですっ!」 私は、あわててストップをかけた。そのままじゃ、舌の行き先は一つしかない……! 「ダメって……何がダメなんだ?」 荘龍は、虫も殺さぬ顔でしゃあしゃあととぼけてみせた。 こういうことをしている時でさえ、意地悪なのは全然変わらない……そんな恥ずかしいこと、言えるわけがない! 「だ、だから……その、そ、そんなとこを……そんなふうに、なんて……」 「質問は、主語と目的語をはっきりさせて、明確に。研修所で、習わなかったか?」 間違いなく私の言いたいことはわかっているくせに、この言い草。絶対、私が恥ずかしがるのを見て楽しんでいるに違いない。 「うぅ……。と、とにかく、そんなことされたら、恥ずかしくて死んじゃいます!」 私は、真っ赤な顔のまま、それだけ言うのが精一杯だった。そのまますがるような目で訴えているのを、荘龍は心底嬉しそうに眺めている。 「そうか……そこまで言うなら、仕方ねえな」 しばらく無言で見つめあっていたら、荘龍は表情を和らげてそう言ってくれた。 私はホッとして、ようやく肩の力を抜いた。 「じゃあ、これならいいだろう?」 「えっ!?」 ……安心したのも、つかの間だった。荘龍はまたニヤリと笑って、今度は舌ではなく、手を伸ばしてくる。 「……ひあっ!」 警戒する暇もない早業で、荘龍の手が私の太腿の間に潜り込んできた……私の身体の、一番奥に。 触れられた瞬間、今まで触られたどこよりも強烈な感覚にゆさぶられて、私は思いっきり声をあげてしまった。 |