スーツのファスナーを引き下げて袖を肩にかけたところで、オレは思わず手を止めた。 大きいのにピンと張っていてまったく形の崩れていないバストを、あまり飾り気のない白いブラジャーが覆っている。 そのシンプルな下着は、誰かに見せることなど考えたこともないのを物語っているかのようだ。 オレは、それを初めて間近に見る男になることができた幸運と、想像していた以上の美しさをじっくりと味わいながら、あらわになった千尋の肌にしばし見とれていた。 「そ、そんなにじっと見ないでください……」 まるでオレの視線が直に触れたかのような恥じらいの表情を浮かべながら、千尋は消えそうな声で抗議してきた。 もちろん、今さらそんなことができるわけもない。オレは、柔らかい髪が触れるほど千尋の耳元に近付いて、息を吹きかけるように囁いた。 「キレイなものを見たいのは、当り前だぜ」 「…………!」 さらに耳たぶを軽く吸ってやると、千尋はビクッと身体をふるわせた。 その表情には驚きだけではなく、未知の快楽へのさらなる期待が確かに感じられた。 「それに触りたいのも、な」 期待に応えて、オレは千尋の胸に手を伸ばした。 そのまま、まずは胸全体を包むように軽く愛撫してゆく。 「あっ…………」 それだけで、千尋は切ない声を上げて目をそらした。そして胸全体を覆っている掌の中心に、かすかに固いものが立ちあがってくる……オレはそのまま、固くなりかけている胸の芯に指先を滑らせた。 「ひぁっ……!」 敏感なところに触れられ、千尋はさらに切なく喘いで身体を反らせた。胸の先端はいっそう固く盛り上がってゆき、はっきりと尖った形をオレに見せつけていく。 もっと千尋の乱れた顔を見たくて、オレはいっそう激しく指をからませていった。 「んっ……はぁ…………あ……っ!」 指の腹で優しくつまんだり、周りから先端に向かって撫で上げていったり、固くなった中心を軽くはじいたり、全体を揉みしだきながら尖った芯を撫で回したり……様々な刺激を与えるたびに、千尋は敏感に反応する。 キスの時と同じように、自分自身の反応に戸惑いながらも抑えようのない声を上げる……そんな千尋の姿が、さらにオレを昂らせた。 「千尋……見てみな」 「……え?」 千尋自身に今自分がどうなっているのかを見せてやりたくて、オレはいったん手を離した。 さっきはかすかに盛り上がっていただけの胸の先端は、いまや下着の上からでもはっきりわかるほどに、固く尖った姿を見せている。 「もうこんなになってるぜ。……感じやすいんだな」 「……! い、意地悪言っちゃ、イヤです……」 わざと羞恥を煽るようなオレの言葉と、自分の身体が示している正直な反応に、千尋は上気した頬をいっそう赤らめた。 恥ずかしいはずの言葉でいっそう感じている様子が、また愛しかった。 オレは愛しさのままにまた千尋を抱きしめ、オレの出せるなかで一番甘い声を使って囁いた。 「意地悪なんか言ってねえ。もっと、可愛く乱れた顔を見たいんだからな」 千尋は、恥ずかしさと“もっと”のおねだりが混じったような、切ない視線で応えてくる。 オレはさらに千尋の奥深くまで触れるために、スーツのファスナーに手を伸ばしていった。 |