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お互い何一つ隔てるものがない姿となったオレたちは、目を見交わして抱き合い、何度となくアツいキスを交わした。 触れる肌の全てから、ぬくもりと一緒に互いの気持ちが交じり合うようだった。 「千尋……」 オレはそっと手を伸ばし、千尋の頬に触れた。触れたら消えてしまいそうな儚さと、指先から暖かい力が流れ込んでくるような優しい強さをあわせ持った、柔らかい肌。オレはそのまま頬の後ろに手を回し、すっと流れる髪を撫でる。 「荘龍……いいの？」 千尋が、のどを鳴らす猫のような表情でオレの愛撫を受けながら囁く。 「何がだ？」 「さっきから、私だけ気持ち良くなっているみたいだから……」 私からも気持ち良くさせたいけど、どうしたらいいかわからない……相変わらず、千尋の顔には思っていることがくっきりと書き出される。 オレはそんな千尋の髪をいとおしむように撫でながら、軽く耳たぶを吸った。 「あっ……」 「大丈夫だ。千尋が気持ち良くなると、オレも気持ち良くなるんだぜ」 未知への恐れはじわじわと解けてゆき、千尋は少しづつ大胆になってきている……そう感じたオレは、千尋の手を取って、身体の中心まで導いた。 「…………！」 「さっきまで乱れていた千尋があんまり可愛くて、見ているだけでこんなになっちまったんだからな……」 オレの言葉に、ウソはなかった。固く屹立した剛直は、千尋の身体の奥に負けないほどの熱を帯びている。導いた千尋の指が軽く触れただけで、さらに熱いものが身体の奥を駆け巡った。 千尋は、触れた瞬間こそ驚いてとっさに手を引きかけたが、オレの手に沿って、そろりと探るように指を滑らせてくる。 「あ……濡れてる？」 先端に触れた瞬間、千尋がつぶやいた。そして、あまりにそのままな感想を口走ってしまったのが恥ずかしかったのか、みるみる頬を赤らめていく。 初めてのことへの素直すぎる好奇心が可愛くて、思わずオレは千尋の髪をくしゃっと撫で回した。返す言葉も、ついコネコをジャラしている時の口調に戻ってしまう。 「ああ。でなきゃ、こんなに濡れちまってる千尋に対して失礼だろ？」 「はんっ、あぁっ……！」 導いていた手をそのまま千尋の奥に滑り込ませると、休むことなく涌きだしていた蜜が絡みついてくる。入り口の部分を優しくゆっくりとかき混ぜると、千尋はまた身体をしならせて切ない声を上げた。 「気持ち良くなるとこうなるのは、オトコもオンナも変わらないんだぜ……」 「はあっ……じゃ、じゃあ、触ったら気持ちいいのも、んっ……い、一緒なの……？」 動きを止めないオレの手に喘ぎ続けながらも、千尋は懸命に聞き返してくる。 「ああ……なんなら、試してみるか？」 いったん手を止めて冗談半分・本気半分ぐらいで軽く返すと、千尋は一瞬恥じらいの表情を見せたが、艶っぽさの宿る瞳をオレに向けてうなずいた。 「……じゃあ、そうしてもらおうか」 オレの声は、ほんの少しだけ興奮に上ずっていたかも知れない。 本気で惚れたオンナを抱く時は、いつだって初心なガキのようにアツくなっちまう。カッコつかねえが、不安は感じなかった……千尋は、オレのそんなガキっぽいところも含めて、全てを受け入れてくれている確信があったからだ。 「ねえ……どうすればいい？」 千尋が、甘えるようにオレを見上げる。 もしかしたらオレの予想以上に大胆なことを考えているのかも知れないが、オレはあえて首を横に振った。 「千尋のしたいようにしてくれ。それが、一番いい」 千尋は一瞬『なんでもいい』が一番困る……とでも言いたげな顔をしたが、結局そのまま素直に、伸ばしていた手をゆっくりと先のほうまで滑らせてきた。 「クッ……！」 おっかなびっくり這わせてきた千尋の指が、ちょうど裏の敏感な部分に触れた。オレが思わず息を呑んだのを聞き逃さず、千尋はオレの耳元に唇を寄せてきた。 「……気持ちいい？」 期待と不安が混じったようななんともいえない甘い声で、千尋が囁く。オレは、千尋の頭を強く抱き寄せた。 「ああ……」 そして、もう一度千尋の奥まで指を滑らせ、そっと上のほうに向かって撫で上げる。 「たぶん、これぐらい気持ちいいはず、だぜ……」 「あぁ……っ！」 すでに丸くふくらんでいる身体の芯を押さえると、千尋は弾かれたように身をよじらせた。 溢れる蜜をすくい上げてたっぷりと濡らしながら、押さえるように芯を愛撫するたび、千尋は激しく身体をくねらせる。 「はぁん……っ、あぁっ！ だ、ダメ……、これ以上気持ち良くなったら、どうなるかわからない……ふぅん……くっ！」 「大丈夫だ、千尋……もっと、感じていいんだぜ。オレも同じなんだからな……」 オレはもう一度、千尋の手を導いた。千尋はすっかり熱くなった昂まりに触れるやいなや、負けるもんかとばかりに懸命に手を滑らせてくる。 「……クッ！ そうだ……オレも、気持ち良くてどうにかなりそう、だぜ……」 「ああ、私も……私もよ、荘龍……んっ……」 お返しの愛撫を受けた時には一瞬手を止めてしまいながらも、千尋は懸命にオレへの奉仕を続けてくる。その稚拙だがたっぷり愛情の感じられる愛撫は、物理的に感じている以上の快感をオレにもたらした。 お互いの昂まりを肌で感じ合いながら、オレは、千尋も同じはずの思いを耳打ちした。 「千尋……お前と、一つになりたい」 抱き寄せてキスをし、視線を交わす。 千尋は、とろんと潤んだ目で頷いた。 |